【第1話】篠谷優希という男。


皆さん、初めまして。僕の名前は篠谷優希。
今から話すこの頃の僕は感情……つまり嬉しいとか、悲しいなどの感情をあまり感じる事がありませんでした。

ですが、感情をかんじなくなったといってもお腹は空きます。空腹まで感じなかったら流石に餓死します。一応人間ですから。
あぁでも、高校の男子生徒からは「美形サイボーグ」と影で呼ばれていたらしいです。どうでもいいですが。

何故こうしてアニメや漫画の主人公のようにあなた達に語りかけているのかは、ひとまず僕の経緯を説明しなければならないからです。
話を理解して頂くため、
簡単に言うと不可抗力というやつです。

話がそれたので話を戻します。

僕は両親が死んでから母親の妹であるおばさんに引き取られました。おばさんは独身で、女手一つで僕を育ててくれました。今思うと凄く大変だったと思います。

この時僕はまだ高校3年生。
前におばさんにバイトをするように言われ探してはいましたがなかなか決まらず、何回目かのバイトの面接をした帰り道の話。
突然雨が降り出し、傘を持たない僕は気にせず歩いていました。
そんな時、彼と出会ったのですーーーーーーーー。





「(……)」
突然降り出してきた雨を気にすることなく歩き続ける優希。
周りを歩く人物達は事前に天気予報をみていたからなのか、傘をそれぞれ差しだした。
暗い雨の中、色とりどりの傘が咲く。
優希は傘を持っておらず、ずぶ濡れになりながら歩みを進める。
雨に濡れる姿はまさに【水も滴るいい男】
そのルックスに、通り過ぎる女性は皆優希をチラチラと見る。
そんな時、ずぶ濡れになりながら歩く優希を車の中から見つめていた人物が居たーーーーーーーーーーー。