「覚えてなくていいんだ。忘れたっていい。ただ、なかったことにだけはしないで。」 すごく切なそうに語る隼人が、とても小さく見えた。 今日はすごく寒いはずなのになんだか暖かい。 隼人の指先には、愛があるんだね。 「おやすみ、なっちゃん。よい夢を。」 そうして隼人くんは帰って行った。 あたしは何も返事ができなかった。 こうしてあたしたちの関係はもつれていく。 .