「────香純。

俺、昼メシ持ってくるの忘れた。」





「え…?」








今朝、ヨシ子ばあちゃんからしっかりお弁当受け取ってたよね?


そう言おうとすると、桜河は私の腕をぐっと引っ張った。












「購買行こう。」






「え!?ちょ…」








桜河はそのまま私の腕を引いて、体育館とは真逆の方向に走り出した。






てゆーか、今日は購買休みだし。

それに、あんた購買とかコンビニでご飯買うの大嫌いじゃん…




相変わらず嘘が下手だな、なんて呆れつつも、そのヘタクソな嘘に救われたのも事実だった。