「何してるの?柊吾。
…私たち、もう部活行くよ。」
「あー…
桃奈に、荷物取ってくるから待ってろって言われて…」
気まずそうに目を逸らしながらそう言う柊吾。
あ…。
桃奈さんと、一緒に部活に行くってことか。
桃奈さんと会ってもいいと言ったのは私だけど、やっぱりこういう事があるとモヤモヤしてしまう。
「…俺、先に行ってるな。」
その場から立ち去ろうとする桜河。
きっと、何か言いたげな柊吾の雰囲気を察して、2人きりにしようとしてくれたんだろう。
だけど…
「だ…だめ!
あんたがちゃんと部活に行くかどうか、見届ける!」
私は、そう言って咄嗟に桜河をその場に引き止めた。