「うん、わかってる。」






「わかってねぇよ。

お前が曖昧な態度だから、その女が調子に乗るんだろーが。」









桜河のその言葉に、柊吾は何も言い返せない様子だった。

私は、悔しそうに顔をゆがめる桃奈さんに、〝ざまあみろ〟なんて思ってしまう。






てゆーか…

桜河、かなりキレてる?












「え、何?修羅場?」





「影山キレてんじゃん…こわ…」










あまりに異様な私たちの空気感に、通りすがる生徒たちは立ち止まってこちらを見る。





これはまずい…

きっとまた一方的に桜河だけが悪者扱いされて、怖がられてしまう。