「─────…おじいちゃん、和菓子の話はもういいから。」
ヨシ子ばあちゃんのズバリと放たれたその一言に、光雄じいちゃんはあからさまに落ち込んだ。
あらま…
「香純ちゃん。
…最近何かあった?」
唐突なそのヨシ子ばあちゃんの言葉に、私は驚く。
「え…?なんで…」
「私らは香純ちゃんのこと、本当の孫みたいに思っとるから。
香純ちゃんの変化にくらいすぐ気づくよ?」
「ヨシ子ばあちゃん…」
「香純ちゃんさえ良ければ、私らに打ち明けてみんかね?」
ヨシ子ばあちゃんの暖かい言葉が、胸の奥にじわりと広がる。
親友の咲花にさえ相談できなかった合宿での出来事。
桜河とのすれ違いも、柊吾と桃奈さんのことも…
今までフタをしていた不安や悲しみが一気に溢れ出して…