桜河といる時間は気楽で、楽しくて…

いつの間にか合宿所の前まで来ていた。










「おい、着いたぞ。」






「ありがとう。

今日は早く寝るんだよ?」






「はいはい。 おやすみ。」













相変わらず無愛想にこちらに片手を上げて、暗闇の中に消えていく桜河。






…やっぱりだめだ。

今言わないと…










「……桜河!」








立ち止まる桜河に、私は小走りで駆け寄る。










「…んだよ。まだ何かあんの?」











お腹を掻きながら大きな欠伸をする彼の背中を、バシッと叩いた。