桜河と私はただの幼なじみ。

ただ、ずっと一番近くにいただけ。



もちろん、お互いに恋愛感情なんてものを持ったことはない。




それでも、やっぱり二人きりで会うのはよくないのかな…？










｢帰ろっか、柊吾。｣








私は、彼の手を握り返して微笑んだ。


私が好きなのは柊吾だよ、って伝わって欲しかったから。




──そうすることで、柊吾に対する罪悪感を少しでも消したかったから…。











｢うん。｣









嬉しそうに笑う柊吾に胸が締め付けられた。





ごめんね、柊吾…。

今日だけ…今日だけ許して。






もう一度、彼の手を強く握った。