「悪ぃな、柊吾。」
「いいよ、そんなこと気にしなくて。
…幼なじみだろ。」
優しくて心が広くて…
こんな素敵な人が私の彼氏なんだよね…
「香純。そろそろ帰ろう。
…みんな待ってるかも。」
そう言うと、柊吾はさり気なく私の手を握った。
「しゅ、柊吾…」
“桜河が見てるのに…”
そう言おうとしたけど、柊吾の横顔を見て言葉を飲み込んだ。
私の手を握った柊吾の笑顔からは、どことなく不安や嫉妬を感じ取れた。
自惚れなんかじゃない。
…私がこんな表情させてるんだよね。
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