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「お疲れ様。

これ、練習の合間に食べて。」







「あぁ、さんきゅ。」










レモンのはちみつ漬けが入ったタッパーを受け取り、ニカッと笑う桜河。

でもその笑顔の奥は、なんだか少し曇っているように見えた。





ばーか。

無理してるのバレバレ。












「それにしても、惜しかったな。」










隣にいた柊吾がぽつりと呟く。

その言葉に、桜河の表情がどんどん曇る。







試合の結果、桜河は決勝にすら進むことができなかった。



明らかに本調子じゃなかった桜河。

かといって、体調が悪そうにも見えない。