──────────── 2人で手を繋いで、綺麗に手入れされた庭園を歩く。 もう夜も遅いため、他の宿泊客の事を考えて 建物とは少し離れた場所。 私は、庭に咲いた綺麗なムクゲの花にそっと触れる。 「綺麗だね。…夏って感じ。」 月明かりだけが頼りの真っ暗な夜空に、真っ白な花が映えていた。 「あのさ…香純。 ……昼間のことなんだけど…」 柊吾がその言葉を発した瞬間、私の心臓は勢いよく跳ねる。