正直、私も気になってはいた。 でも聞いていのかわからなくて… 彼はいったい何と答えるのか。 私も、柊吾の返答をじっと待った。 しかし返ってきた返事は… 「…それは言えない。」 ただそれだけだった。 …話せないことって…… 私の背中に嫌な汗が伝う。 「じゃあ、挑戦だな。」 桜河は、目を伏せながらふっと笑った。 まるで自分を嘲笑するような笑い。 その笑みの奥に隠された彼の気持ちを、この時の私は気づくことが出来なかった。