土方side


5月の夜風は涼しくて、いつもこの時間帯は割と心穏やかでいられる。


だが…。


「ああ?」


「だから、天李の軟禁を解いてやってほしいんだよ」


永倉を睨むが、全く意に介していないように胡座をかいて座っている。


「…なんでだ」


理由もなく言う男じゃないと思っている。


「平助が泣きそうな顔で頼んでくるんだよ」