二人で仲良く朝食を作る。君は朝粥を作ってくれて。俺はサラダを作る。君は手際が良くて、料理上手だった。

 「食べよ?」

 「うん。」

 向かい合って手を合わせる。

 「いただきます。」

 朝食はとても美味しかった。粥にだし餡をかけるとしみじみ美味しくて。

 「ひなは料理上手なんだな。」

 「そう?美味しい?」

 「お粥も、餡も美味しい。こんなの初めて食べたよ。」

 「ふふっ、お粥にピータンが入っているの。美味しいでしょう。」

 君はお行儀良くサラダを食べる。

 「望さんのサラダも美味しいよ?」

 「そう?」

 「美味し。」

 改めて、君は完璧なんだなって思う。

 「ひなが今まで結婚しなかったのが不思議だよ。」

 「…もてないもん。料理出来なそうとか言われるし。」

 「お嫁さん候補としての人気も高そうなのに。」

 「仕事と同じ。完璧だと嫌がられるの。」

 「そんなもんかな。」

 「そうよ。でも、望さんは楽かな。少なくとも普通の男性よりも出来るから。」

 「精進します。」

 二人でクスクス笑う。

 「俺はラッキーだな。ひなっていう一番素敵な残り物を貰えたから。」

 「残り物って、酷くない?」

 「ごめん。でも、ラッキーだよ。」

 「誉めてくれてるんだって、思っておきますぅ。」

 本当なんだよ?君が手に入るなんて、夢にも思わなかったんだから。

 「そんなひなにご褒美あげないと。」

 「どんな?」

 「それは買い物行って決めよう。」

 「うん、嬉しい。」

 君は食器を片付けながら鼻唄を歌ってキッチンへ行ってしまった。俺は後を追って洗い物をする。

 「ひな、洗うから着替えて来たら?」

 「いいの?」

 「いいよ。」

 「じゃあお言葉に甘えて。」

 君は頬にキスをして支度をしに行ってしまった。その姿を見ながら、俺は洗い物に専念した。