透side

虹華は手紙を読み終わった瞬間

泣きだした

安藤翔は

俺も知ってた

俺の学年でも人気があったから

そんな奴に声をかけられるなんて

どこのどいつが予想しただろうか

「あの、黒瀬先輩」

「え、あ!」

「1年の安藤翔といいます」

「知ってる!知ってる!
どうかした?」

「俺、虹華の事好きなんです

先輩と付き合ってるって噂なんですけど

俺はそれでも好きなんです

絶対負けませんから」

「ふはっ...

君面白いね?

俺と虹華が付き合ってる?

それはただの噂

俺たち兄妹だし

でも、そこまで虹華を好きになってくれて
嬉しいよ」

「え!そうだったんですか??

なんか恥ずかしいことを...

すみません」

「全然良いんだよ

頑張れよ?」

「はい!ありがとうございます!」