恐る恐る
手紙を手に取った

翔のきれいな字がならんでいた

お兄ちゃんへの手紙を

お兄ちゃん渡し、自分のに目を移した

【虹華へ
今この手紙を読んでるってことは
俺が居なくなって黒瀬先輩は目が覚めたって
事かな

黒瀬先輩目さめて良かったな

俺は今隣町で過ごしてるはず笑

この手紙を病院に置いてたのは

黒瀬先輩と2人で読んで欲しかったから

2人で病院行った時に
虹華にバレないように置いたんだ

急に居なくなってごめん

親の仕事の都合で

引越しした

虹華には

黒瀬先輩も大森も結翔もいる

俺が居なくても大丈夫

前だけ向いて歩いていけ

まぁ、そうやってかっこよく言ってやりたいけど

本当は俺の方がダメなんだ

虹華が居ないと

虹華は俺にとって

虹みたいな存在だったんだ

意味わかんねぇって顔してるだろ?

見なくても想像つく笑

でもな、本当なんだ

自分では

人見知りなダメなやつ

とか、思ってるかもだけどさ

違うんだぜ?

虹華が笑えば皆笑う

虹華が泣けば皆泣く

虹華は、そういう存在なんだ

まぁ気づいてないのは
虹華だけだったと思うけどな

それが俺には虹に見えた

本当は離れたくなかったけど

離れねぇと半透明な虹の

何も出来ない俺が

お前の事諦めたくなくなるから



遅くなったけど
大好き

翔より】