「えへへ……」

キロはゆっくりとすみれを離す。すみれは顔を手で覆い隠した。顔は真っ赤で、心臓がバクバク音を立てている。うるさい!とすみれは自分に言いたくなった。

「Adelante(行こっか)」

キロが言い、二人は歩き出す。チリを案内するよ、とキロは言った。こうして二人のデートが始まる。



チリの首都・サンティアゴは、南米有数の世界都市だ。街には高層ビルが立ち並び、街からはアンデス山脈の山々を見ることができる。アンデス山脈とビル群のコラボレーションが美しい街だ。

すみれが最初にキロに案内されたのは、メトロポリタン大聖堂。サンティアゴの中心街に位置するアルマス広場の正面にある。

「国民の七十%がカトリックのチリの教会総本山なんだ」

キロに説明をされながらすみれは中に入る。中は広く、何人もの人が中にいた。

「わあ……」

内部の装飾も緻密に作られていて、とても美しい。すみれはその美しさに言葉を失った。
「どう?素敵でしょ?」

キロがすみれの顔を覗き込む。すみれは「ま、まあね」と顔を赤くしながら言う。素直に思ったことを口に出せない。

キロは微笑みながら、すみれを次の観光地へと案内した。

次にやって来たのは、中央市場。海岸線の長いチリは、海産物の宝庫だ。常に人にあふれているという。

「すごいわ……」

すみれは予想以上の人の多さに戸惑う。すると、キロはそっとすみれの手を握った。

「はぐれないで。さあ、行こう」

つながれた手はすぐに熱くなる。競りや客引きの声を聞きながら、すみれはキロと市場を回った。

お昼になり、二人はベラビスタへと向かう。ベラビスタはおしゃれなカフェやバーが立ち並ぶエリアだ。

「ふう〜……。けっこう歩いたね〜」

コーヒーを飲みながらキロが言う。すみれもコーヒーを飲み、「私はまだ大丈夫よ!」と強がる。でもキロはニコニコ笑ったままだ。

キロとのデートは、今までしたデートの中ですみれは一番楽しいと思った。その気持ちを言いたい。でも、伝えられない。もどかしい気持ちにすみれは自分が嫌になる。
「ねえ、何でキロはこんな私のことを好きと言ってくれるの?私を好きになっても何も得しないわよ」

恋人に振られたのに、とすみれが皮肉に笑いながら言うとキロは「えっ?」と驚く。

「嘘!!すみれ、こんなにかわいいのに?」

誰もが見ても驚いているような表情に、すみれは思わず笑ってしまった。

「僕は……」

キロはすみれを見つめ、言う。

「Estoy loco porti(君に夢中だよ)Te amo(愛している)」

ドキッとすみれの胸が鳴った。こんな台詞、元彼から言われたことがない。

「わ、私は……」

胸の高鳴りは治まらない。すみれは顔を赤くしたままキロを見つめていた。
初めましての方、初めまして!お久しぶりの方、こんにちは!浅葱美空です!

アメリカ大陸編第四弾は、チリについて書きました!チリの名前と場所は知っていたのですが、観光地などは知りませんでした笑。チリについて書こうと思った理由は、好きな歌い手さんの出身国だからという単純な理由です笑。

今回チリについて調べてみて、チリにはすてきな観光地などがあるんだなということがわかりました。アンデス山脈とビル群のコラボレーションを見てみたいです!

ちなみに、この小説のタイトルは「一目ぼれ」という意味です!キロの「運命だ!」というシーンからこのような名前になりました!

アメリカ大陸編はこれでおしまいです。四国しかありませんね……。やはりヨーロッパ編に比べると少ないですね笑。

読んでいただき、ありがとうございました!また次の作品でお会いしましょう!

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