いつもそうだ。



 変わり者だってレッテルを貼られ引かれて、遠ざかっていく。それでもいいと思ったのは、確かに自分で。


 それでもいいと思ってくれる人は、誰もいない。



「――もう終わりにしよう」



 急に告げられても、瑞季の表情は変わらない。崩れることもない、落ち着いた不思議な人。



「じゃあ、美しい終わりにしよう。終わりの旅路へ」


「瑞季はいいの」


「かなたがいいなら、おれはいいんだよ」



 バスに揺られながら思う。瑞季とのこの旅路が、いつまでもいつまでも続けばいいのにと。物語には、必ず終わりがやってくる。――例え。その結果が不幸せでも幸せでも構わない。




今隣にいるのが、瑞季でよかった。