心地良い空気感。気分がいい。だからなのか、はじめて希望を口にした。


 砂漠で見つけた、オアシスの水に口づけるように。


「右城くんは、私の片翅。あなたと一緒なら、きっとエデンに行ける」


「行けるよ、どこまでだって。瑞季でいい。おれもかなたって呼ぶし」


「わかった。……今から、二人で抜け出さない?」


「どこへ?」


「私のエデンへ」



鳥籠なんて、ただ退屈なだけ。