空を眺めていたらしい、男子生徒が振り返える。たった一瞬の出来事だったが、ひどく印象的に映ったのはどうしてなのか。


……この人何学年だろう? そもそも同学年なのか、すらも記憶にない。覚えられないのではなく、覚えない。


 何かを察したように答える。


「……二年、右城瑞季(うしろみずき)。あなたは有名だよね」



 ああ、変わり者ってことか。自覚があったため、すんなりと納得した。



ーーまあそうだろう。別に、否定する気もない。