恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~

「何してるの?」
それは低い低い低音。

声を荒げず、静かに言うときのボスが一番怖い。
私は振り返ることもできなかった。

「何しているかって聞いてるんだけど」
再度声がかけられ、仕方なく振り返る。

ドアの前で、仁王立ちのボス。
うわー、怒ってる。

「日付が変わる前には必ず寝ろって言ったよな」
「寝ました。今、起きてきて少し仕事をしてるんです」
「3時だぞ」
「でも、寝たし・・・」
だんだん声が小さくなっていく私。

「ふざけるなっ」
吐き捨てるように言い、近づいてくるボス。

何をされるのかとドキドキしていると、
私の前を通り過ぎ、デスクにおいていたUSBを手に取った。

ああ。ダメ。それがないと仕事ができない。
私がとっさに手を伸ばす。

しかし、
ピシャリッと、手を叩かれた。