四月の始業式当日。
この時期はまだ風は冷たく、寒いと思ってしまうためブレザーは欠かせない。
少し防寒具もいるんじゃないかと思ってしまうほどだ。
「咲(さき)!ごめん遅くなって」
そんな中、幼なじみの南 琴葉(みなみ ことは)が来るのを家の前で待っていたら、五分ほど遅れて彼女がやってきた。
「ううん、大丈夫だよ」
少し茶色がかった髪をしている琴葉は、始業式だからだろう。
いつもより気合が入っていて。
メイクをバッチリ決め、中学三年に部活を引退してからは一度も切っていないというロングに伸びた髪は、巻かれていてふわふわしていた。
そんな琴葉は綺麗でしっかりもので。
私の自慢の幼なじみである。