「こんな気持ちのままじゃ、きっと妃になんてなれない…。私は知りたいの、ここへ来た本当の意味を。」
「どうして、そこまで妃にこだわるの…?妃なんて諦めればいいじゃない。」

今度は星羅が、ゆっくりと口を開いた。
知りたかった…。
なぜ彼女が、そこまでして妃になる事にこだわるのか。
ただそれは、おじいちゃんのためだとか、村のためだけではないのは、明らかだ。


「それだけは、諦められない。」


(…だって…。)




「私が自分で決めた事だから。」




――― それは、私が初めて自分で選んだ道だから。




その決意は、彼女の強い瞳に表れていた。
そして、その瞳を目の当たりにした星羅は、また何も言えなくなった。