私がしつこく心配していると、うんざりしたため息が聞こえてきた。

「いつまでその話すんの?
大袈裟にもほどがあるでしょ」

「でも、もしもの場合を考えてですね」

「何だよもしもの場合って。俺が死ぬとか?」

げ…。

胸の内を見抜かれた。
彼の口から出た死ぬという言葉に、何て返せばいいのかわからなくなる。

「…。

…神谷さんに聞きました」

「話が見えてこない…。何を聞いたの?」

「だから、楓馬くんが来年にはもう…。
でも、余命宣告を受けても、負けずに生き続けた人だっています!
私は、あなたに死んでほしくない!」

これは本音。
いくらなんでも、そんなの不条理だ。