「夏だけじゃねーよ。冬は冬で楽しむぞ。ウィンタースポーツは。そうだな。スキーやスノボーは避けてきたが。スケートくらいなら滑れる」

「転んだら危ないよ……!」


 打撲や骨折に気づかずに続けたら大怪我に繋がる。


「バカか。俺が転ぶと思ってんの?」

「転ばないの?」

「転ばない」

「すごい……!」

「知ってるか? スケートリンク行ったらな、90近いじいさんだって滑ってる。負けてられるかよ」


 それでも、体調管理しっかりしなきゃだよね。


「俺は、ひょっとしたら他のやつが古都にしてやらることの半分もできないかもしれない」

「うん」

「だけど。他の誰にもできないようなことして。古都を幸せにしたいと思ってる」

「……っ、うん」

「キスして謝ったり。幸せにする資格ないとかクソみてえなこと言って。弱音吐いて。不安にさせて、ごめんな」


 不安だったのは、アナタもでしょ?


「後悔させたくない」

「……後悔?」

「俺の彼女になったこと」


 …………しないよ。


 絶対、しない。


 桝田くんとの未来を強く望んでるのは、

 きっと、わたしの方だ。