――青色のガラス玉のかんざし


「勝手にコトリに触んな」

「気をつけるよ」

「花火。用意したんだろうな?」


 …………花火?


「ちゃんと用意しておいたよ。まあ。買いに行ったの、一宮だけど」


 仕事ができる男、一宮さん。


「でもさー。気をつけてよ?」

「わかってる」

「打ち上げ花火は。ボクがセットするから」


 チッと舌打ちする桝田くん。

 浴衣は用意できて花火はできなかったのは、ひょっとしたらノアさんに止められていたのかもしれない。


 ノアさんがこの時間に残ってるのは。


 桝田くんのことが心配だからなんじゃ……?