西原くんは電車通学かな?
それとも歩き?あ、自転車でもかっこいいかも。
窓から見える雨の景色を見ながら学校につくまでずっと西原くんのことを考えては、探してしまっていた。
「あー!!今日愛理可愛いね!」
教室につくと、あーちゃんの席で話していたさっちゃんが私の席までやってきた。おしゃれしたことを気づいてもらえたのが嬉しくて、これなら西原くんに気づいてもらえるかも、と期待してしまう。私は照れ笑いで返す。
「今日体育理論だもんねー!1時間西原くんの後ろだもんねー!」
「話しかけちゃいなよー!!好きなんでしょ?」
「え!?」
”好きなんでしょ?”
その言葉に驚いて鞄の中から荷物を出そうとしていた手を止めた。
「西原くんはいいなって思ってるだけで好きじゃないよー。」
そう笑いながら答える私に、今度は二人が驚いて顔を見合わせた。
「嘘だ!だって愛理よく笑うようになったよ?西原くんに会ってからさー!」
「そうそう。私達どれだけ愛ちゃんと一緒にいたと思ってるの?気づかないわけ無いでしょ?」