美結が僕の彼女になった翌日の朝。

いつもは通学途中で落ち合うところを、僕は美結の家の前まで来ていた。

「おはよ」

「えっ、想? どうしたの?」

美結がドアを開けた格好で、驚いて声をあげた。

「お迎えです」

「冥途への⁉」

……どういうツッコミ? よくわからずにいると、美結の後ろから美結のお母さんがひょこっと顔をのぞかせた。

「美結? どうしたの大声だして。あら、想くんおはよう」

「おはようございます。美結、迎えに来ました」

僕がそう言うと、おばさんは一瞬ぽかんとしたあと片手を頬にあてて、顔をキラッキラさせた。