ふっと、美結の顔をあがった。
目が合って、僕は思わず口元も目元もゆるんだ。
「俺も、美結の隣に在りたい。そこが、俺の居場所になったらいいなって、思ってた」
僕の返事に、美結は大きく瞬いた。
雫が大きな粒になって流れる。
「想の、だよ……? もうずっと……私の隣にいるの、想だけ、だよ……?」
あ、だめだ。
ピンと張っていた糸が、その言葉に呆気なく弾かれた。
音を立てて切れたそれ。
美結の腕を引いて思いっきり抱きしめる。
「わっ、想っ?」
「あー、もう」
「ご、ごめん……怒らせちゃった……?」
「怒ってないよ。嬉しがってんの。めちゃくちゃ嬉しがってんの。……美結、好き過ぎ」
どうしたって返せないよ。この幸せ。
美結が次から次へと、僕にくれるから。