そっと離れると、美結は伏せがちな目をしていた。
「甘い、です……」
「だね」
「想……」
「うん?」
「……ほ、ほかに、ない? 私にしてほしいこと……」
「さっきみたいに食べさせて、とかってこと?」
「うん……。私、全然足りないの。想がくれる幸せなことに、もっとちゃんと、想を幸せに出来る形で返したいのに、全然……足りない……。どうすれば、想が私にくれるのと同じくらい、想を幸せに出来る……?」
「――――」
いきなりな言葉に、正直面喰った。
なんでそんなことを言うんだろう。
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