「これ……そのときと同じもの、作ったんだけど……」 「それって――」 包みではなく、美結の腕を摑む。 「小一の美結のチョコも、俺にくれるってこと?」 僕が問うと、美結は唇を噛んで軽く頭を上下させた。 なにそれ―― 「なにそれ。可愛すぎ」 ぎゅっと美結を抱きしめる。 「お、重くない?」 「全然?」 「だって……十個も受け取れって言ってるんだよ……?」 「え? 全部ほしいけど」