背中を押されて、美結の部屋へ押し込まれた。
僕にどうしていろって言うんだ……。
「想~」
ひょこりと顔をのぞかせた美結。
「うん?」
中途半端にドアを押した位置でいるから、僕からドアを引いた。
「え……」
ドアの向こうの美結は両手に抱えたトレーいっぱいに、色とりどりの綺麗な包みを載せていた。
「す、座ってっ」
美結の言葉に押されて、僕はローテーブルの前に座る。
「美結? それ……」
「十年分っ、なのっ」
「へ?」
十年分?
意味がわからないでいると、美結はトレーをテーブルに置いた。
顔はややうつむかせていて、けれど横顔が真っ赤なのは見える。