「あ、あー、うん」 はっきり言葉にならなかった僕を見て、くすりと笑う美結。 ……なんか余裕だな。 「ね、想。手、貸して?」 「うん?」 言われて、右手を差し出す。 「想の手、大きくなったよね」 と、僕の手と自分の手を重ねて大きさを比べるみたいな仕草をする美結。 「そりゃあ、一応?」 美結、どうしたんだろう。 「背丈だって同じくらいだったのに。中学入ったら急に伸びちゃって」