「いい、いっせーのでだすよ?」

「おう」

「「いっせーの!」」

バンッと机に叩きつけられたテストの答案。

それを二人して上から覗き込んで――

「わーっ! 負けた~!」

「っしゃ! 一点差でも俺の勝ち!」

頭を抱えて本気で悔しがるキミと、拳を握って喜ぶ僕。

「お前らホント飽きないよな」

隣の席から呆れたように眺める、僕とキミ、共通の親友の男子。

「俺の一勝、加えさせてもらうからな!」

「くやし~っ。次は私が勝つからね!」

僕とキミは、保育園からの腐れ縁。

小学生の頃には勉強や運動で成績を競うようになった。