でもね、掘田くん。ひとつだけ言わせて。



「飛鳥くんはクールなんかじゃないよ」

「え?」



感情がないとか、そんなことない。わかりにくいけど、クールってキャラじゃないよ、飛鳥くんは。


それだけは訂正したくて言ったはいいものの、ずっと笑っていたはずの掘田くんは、私のいまの言葉で面食らったように目をパチクリとさせた。




……のも、数秒。




「プッ、あははは……っ!」



彼は、今日イチの笑いを見せた。




「そ、そんなに笑わなくても」

「いやだってっ、なにを真面目な顔して言うかと思ったら、そんなこと……っ」

「そんなことって……」


クククッと笑いをこらえようとしてるみたいだけれど、あいにく全然こらえられていない。