してはいる、けど。
「君たち、俺に話しかけて欲しいの?」
そんなとき、女の子たちの声に混じって男の子の声が聞こえた。
あぁ、なんてことだ。今日に限って、なんでこんなに会っちゃうんだろう。
「ほ、掘田くん……」
女の子たちが口にしたその声の主は、元凶主3人組のうちのもう1人。ミルクティーヘアの掘田くん。
距離が多少なりとも離れてはいるけれど、思いっきり彼と目が合った。そして、私にニコリと微笑む。
な、なんで菊川くんに引き続き1人でいるんだ……。今日は厄日だ。うん、そうに違いない。
「そんなに言うなら、俺全然話しかけるよ?仲良くしようよ」
とびっきりの王子様スマイルを向ける掘田くんは、もはやさすがとしか言いようがない。
さっきまで私の悪口で怖い顔をしていた女の子たちは、たちまち目をハートにさせてキャッキャと大人しく帰って行った。