「え、じゃあ七宝はしょ…」

「こらこら」

琉音の暴走を、一依(かずより)が止める。

「あ、いや、初めてではないさぁ」

照れながら七宝は答える。

「相手は誰?」

「海渡(かいと)」

嫌そうに七宝は答える。

「え、じゃあ保健室で」

「そこまで」

強い口調で愛智が止める。

「冬羽がいるんだよ!?
彼女の初めての話なんて、聞きたくないさぁ」

愛智の言葉に、琉音は素直に謝る。

「大丈夫」

冬羽は笑う。

その時、マナーモードに設定している冬羽の携帯電話が震えた。
見ると、奏多(かなた)からのメールだった。

『冬羽だけでも戻って来れないか?
正直、2人だけの活動は難しくて、ほとんど休止状態なんだ』