七宝(なほ)と冬羽(とわ)が沖縄にやってきて半年が経ったが、七宝の歌声は戻らない。

「てっきり冬羽と付き合えば、元に戻ると思った」

愛智(あち)はガッカリして、七宝は落ち込んでいる。

「なんでだろうね?」

歩夢も不思議がっている。

「アレすれば出るようになるんじゃない?」

「アレって?」

柑冴(けんご)が聞き返す。

「アレはアレさぁ。
夜の営み」

「はあ!?」

冬羽と七宝は、同時に声をあげ、歩夢はあきれる。

「あんた今、昼。
それに、それならとうに歌えているさぁ」

「え、でも2人はまだだよね?」

皆に注目され、頬を赤らめながら2人は頷く。