「だから~、これはもっと高い音で歌わなきゃダメでしょう!?」

「咲姫さん、すみません」

「歌えないなら辞めたら!?」

翌日から、咲姫は七宝に対して、きつい態度を取るようになった。
そんな日が続き、

「七宝、どうした?」

「…歌が、…歌えない。
どうして!?そんな…。
いやああああ~!!」

七宝は突然、歌えなくなった。

冬羽が心配して、診療内科に連れて行ってくれたが…。

「ストレスで声が出なくなる事はあっても、歌が歌えなくなるなんて事例もなく、どうする事も出来ないんだと」

吐き捨てるように冬羽は言う。

「七宝」

奏多は、先程から泣いている、七宝の前に座ると、

「沖縄に帰ってみたら?」

七宝に話し掛ける。