「七宝、この人、俺のにぃにぃ」

「初めまして、七宝です」

七宝は頭を下げる。

「可愛い子じゃん」

奏多は琉音にしか聞こえない音量で言う。

「うちの歌姫さぁ。
ホイッスルボイスが出る」

「ホイッスルボイス!?
マジか!!
aqua Blueに是非ほしい」

「あの…わたしの話?」

話がついていけないようで、七宝がオロオロしている。

「七宝さ、転校しない?
ここにいてもいじめられてて辛いでしょ。
この人、有名なaqua Blueのメンバー」

「aqua Blueの!?」

七宝は驚く。

「なんでそんな有名な人が…」

「琉音のにぃにぃなの」

「七宝ちゃん、aqua Blueに入らない?」

七宝は何も言わず、愛智たちを見る。