その時、

ガシャーン!!

七宝がバランスを崩し、ハードルを倒してしまった。

「痛…っ」

七宝は苦痛に顔を歪めながらも、なんとかゴールした。

「皆、お待たせ~」

ぴょこぴょこと足を引きずりながら、七宝がやって来る。

「バカ、保健室に行くよ」

海渡は七宝を抱き抱えると、保健室に連れて行った。

保健室に行くと、先生は留守にしており、海渡は棚から必要なものを勝手に取り出している。

「なぁ、捻挫って包帯いるっけ?」

「……で」

「え?」

「わたしに優しくしないで!
海渡を好きになっちゃうから」

海渡は七宝の隣に座る。

「いいよ、好きになっても。
俺も七宝が好きだから」

海渡の顔が近づいてくる。
七宝は思わず目を閉じた-。