「七宝~!」

校舎から駆け寄ってくるのは、海渡。
海渡の隣には、可愛らしい女の子がいる。

「これ、飯野ちゃん。
飯野 陽花、同じクラスなんだ」

陽花は、海渡の腕に自分の腕を絡めながら、ジーッと七宝を見る。
海渡も特に嫌がる素振りはない。
その瞬間、ズキズキと七宝の胸が痛み出した。

「飯野ちゃん、左から、龍一、涼香、七宝」

陽花は、ペコリと頭を下げる。

「七宝ちゃん、メールアドレスを教えてくれる?」

「え、なんでわたし?」

「七宝ちゃんと仲良くなりたいから」

陽花の言葉に、特に断る理由もないから、陽花にメールアドレスを教えた。