「え、エロいとか言うなバカ朝火!」

「だってエロいじゃんかよ。あとどっちかというとミキじゃなくてアイがエロい」

抗議した大地をいなしてそう言った朝火に今度は天がちょっとイラッとしたのだが、……うん、いや、間違ってはない。

MVでもそういう雰囲気だったが直接見るとここまで違う。背筋を熱い指先でなぞられているような背徳感。

官能的で扇情的。

アイの視線が天を捕らえた。

びくりとして一歩も動けなくなる。

絡みつく切れ長の目。涼しくて熱い。

間奏で、赤い唇にアイが細い指先を這わせた。

体に電流が走る。思わず口元に手をやっていた。

満足気に目を細めたかと思うと──それすら妖艶に──ふっと彼女は視線を外し、そこで天はようやく息をした。

……とんでもない女だ。