「ねー、お願い~!」

「だったら、16時44分に武山公園を通らなかったら良い話だよ。

時間ずらせば?」

「えー…でも…」

大体、16時44分なんてありがちだ。

こういう話は信じるだけ無駄だ。

「恵ー、自販行くよー。」

「あ、うん!

ね、お願いみのちゃん!私委員会が終わるまで待つから!」

「恵、いくよ!」

「わかったー!

じゃあ、よろしく!」

グループの人に呼ばれて、慌ただしく去っていく恵。

その後ろ姿を見ながら、私はため息をついた。

「あの調子だと、一緒に帰らなきゃだね。」

「私武山方面じゃないのに…」

「ねー。」