チャイムがなり、眠い目を擦りながら玄関のドアを開けた。
「おはよう!アズサちゃん」
「おはよぉ〜アズサ!」
開くドアとともにふたりの小さな影が飛び込んできた。いつもの様に受け止めるつもりだったが、私は何せ寝起き…受け止めきれず、重力のままに巻き込まれて玄関の床に3人で倒れた。
「こらチヒロ!サクラ!危ないだろ」
来馬の声とともに瞬時に私の上からどくふたり。
「ごめんねぇ、アズサ」
「早く会いたくて、つい」
近くに立っていた鳳が手を差し伸べてくれて、怪我はないか確かめてくれた。…なんか最近優しくて調子が狂う。ふたりはすぐ謝ってくれたから良しとしよう。
「朝早くから申し訳ありません。早く行くと聞かなくて」
苦笑いしながら、そう話す鳳。まぁ想像できるなと思った。
「…どうぞ、中入って」
このまま玄関にいるのも、と思い入るように促せば真っ先にリビングへ向かう小さいふたり。その姿はまるで幼子のよう。