「どこへ行くんです?」
「…帰ろうかと」
「貴女には話があるので俺らに着いてきてもらいますよ」
と、問答無用で鳳のバイクの後ろに乗せられた。
「行きますよ」
ただ一言そう言った鳳は、無理やり乗せたくせにバイクの速度は落とされていて、優しいのか意地悪なのか分からず変な感じだ。
倉庫街から数分後、バイクが止まったのは高級マンションの前だった。
自分が住むマンションと同じくらい豪華な造りであるここは、鳳の説明から幹部とサクラが住む部屋が最上階にあるらしい。
なぜ一緒に暮らしているのかは全くの謎だが。
エレベーター特有のチンという音とともに開くドア。最上階に着いたようだ。…暗証番号打たなくていいのか、羨ましい。