「リーダー!」

「死んじゃやだよぉ〜」

「今救急車呼びますからね!」


咄嗟に救急車を呼ぼうとした俺のスマホを、あの大きくて優しい手が押さえた。その手は自身の血で濡れてしまっている。先代はただ首を横に振ってただ一言俺達に言った。



「…お前、らに、この町、を託す……だか、らお前ら……」

「もう喋らなくていいですよっ…!やめてください…もう居なくなるみたいじゃないですか…」


滅多に感情的になることの無い、ましてや涙も滅多に流す事の無い俺が目の前で涙を流している。それを見て少し嬉しそうにした先代は俺達を一人一人見て微笑んだ。


「…お前、ら…この町を…頼んだ、ぞ」


…先代は俺達に囲まれながら亡くなった。