店内の空気が凍りついたのが分かった。…殺した?つまり命を"狂った集団"によって奪われたということなのか?…そう認識できた時、香苗さんが走って店から出ていくのが見えた。




あれから走り続け香苗さんに少し遅れて倉庫街についた時、目を疑う光景が目の前に広がっていた。


倉庫の壁には血が飛び散り、コンクリートの上には数々の血に濡れたナイフや鉄パイプが散乱している。


その先を見れば夥しい程の血、血、血。その中心には、血に汚れる事も厭わず先代を抱き上げる香苗さんが泣き叫んでいた。


俺達は誰一人としてその場から動くことが出来なかった。…と、その時、


「…泣、くな…ねぇちゃ、ん」

先代のか細い声が聞こえ、俺達はそちらへと走り寄った。