自分の情報量などそんなに必要ないのだ。今の私は仮初の人間も同然なのだから。それに、私自身の情報を誰が隠したのか操作したのかなど、自分に興味が無いのだから知る由もない。


「…だから?」

「つまり貴女は謎だらけという事です…故意に情報を隠しているとしか考えられないのですよ」

「そんな事私は知らな____」


その言葉を言い切る前に、私は鳳によって木の幹に体を押し付けられた。手首を固く握られ身動きが取れない。寝不足の体では力が入るはずもないのだ。それでも必死に抗っていると、耳元で一言低い声色で言われた。



______"貴女は何者なんだ"


何者なんだ、か。


「はっ、ははっ、はははははは…!」


あぁ、可笑しい。そんなの答えられるわけないのにな。