本堂では、トップ幹部達が会長を含めて顔を合わせていた。
「久しいですね皆さん、順調ですか?」
「あぁ、相変わらずだねぇ」
「さすが殺しのエキスパートは違いますね」
トップ同士が近況を話していると、正面に掛けられている御簾の向こうに四神会の総裁が御座するのが分かり一同は緊張を高めた。
この場にいる誰も顔を見た事のない総裁は、正確な年齢も容姿も何も謎であり声が低めで若干年老いている事しか認識出来ない。性別は恐らく男だろう。
「しばらくぶりだの、状況はわしの右腕のセキヤからよく聞いている。では本題に入ろう…セキヤ頼んだぞ」
「はい。それでは皆さん、僭越ながら私から説明させていただきます」
真っ黒のスーツを着こなすセキヤは30前後の若めの男であり、総裁には堅く忠誠を誓っている。男としては長めの黒髪を片方だけ耳にかけており、猫目に泣きぼくろの中性的な美人顔をしている。